ほくろ
ほくろ
ほくろ(黒子)とは、医学的には母斑細胞母斑または色素性母斑といいます。
ほくろは良性のできもので腫瘍のもととなる母斑細胞が増えて塊を作ります。時間が経つにつれて、少しずつ母斑細胞が増えることでほくろ自体が大きくなることもあります。ほくろには先天性と後天性のものがあり、年齢や性別に関わらず体のあらゆるところにできます。茶色や黒、形状は平らなものや隆起しているものなどさまざまです。ほくろは物理的な刺激や紫外線などの影響も受け、新しくできたり大きくなったりすることがわかっています。
一見ほくろのように見えて、基底細胞癌や悪性黒色腫(メラノーマ)などの悪性腫瘍の可能性もあり、正しい診断が必要です。
Ackerman氏が提唱した分類では、以下の4種類があります。
体幹や首、腕、大腿などに発生しやすい、直径1cm程度で黒色~茶色をした軟らかいほくろです。桑の実のように表面がでこぼこした形が特徴的です。
主に顔面や頭部(髪の毛のなか)、首に発生するドーム状や半球状に隆起するほくろです。黒色~茶色で、毛が生えていることもあります。幼児期~小児期から発生し、加齢とともに色が薄くなり、肌色に近いものもあります。
幼児期や若い世代に多く、全身に発生します。紅色や黒褐色など色はさまざまです。急にサイズが大きくなることがあり、悪性黒色腫(メラノーマ)との鑑別が難しい場合があります。
体幹や四肢にできる平らな楕円のほくろです。中心部はやや色が濃く、外側に向かって徐々に色が薄くなりぼんやりとしている特徴があります。
40歳以上に生じやすい、特に高齢者に多くみられる皮膚がんです。初期は黒色をしているため、ほくろと間違われることがあります。数年かけて大きくなることもあります。徐々に形が変化して中央がへこんだり表面がくずれたり、出血する場合があります。一般的に外科的に完全処置ができれば問題のないことが多いです。
悪性黒色腫は、細胞増殖に関係している遺伝子の変異によりメラノサイトと呼ばれる色素細胞が悪性化して発症します。ほくろが悪性黒色腫に進行することは基本的にありません。
メラニンの含有量と深さにより、茶色や黒色、まれにメラニンを産生せず赤色を呈するものもあります。
悪性度の高い腫瘍であり、リンパ節や全身に転移することがあり早期に治療する必要があります。
脂漏性角化症は、ウイルスなどではなく加齢に伴って生じる老人性のイボです。基本的にかゆみや痛みなどの症状はなく、次第に大きくなっていくものが多いです。
悪性腫瘍と見分けることが重要であり、ダーモスコピーが有効です。時に判断が難しい場合もあり皮膚生検を行うこともあります。
良性のものは基本的に経過観察で切除は必要ありませんが、希望によって治療を行うこともあります。
手術
(メスによる切除)
主にサイズの大きなほくろや悪性腫瘍が疑われる場合に行います。メスを使用してほくろの周囲の皮膚を切除し、皮膚をよせて縫合し傷をふさぎます。そのため1本の線として傷痕が残ります。大きさや部位によって縫合後に周囲の組織が変形などを生じる可能性がある場合は、 他の場所から皮膚を移動させる皮弁や植皮を行うことがあります。切除1週間後に抜糸を行います。
炭酸ガスレーザー
炭酸ガスレーザーは水分を含むものに吸収されやすく、照射後すぐに熱エネルギーに変換されて組織を蒸散させることで皮膚が削られます。ほくろやイボなどの切除に使用し、傷跡が目立ちにくいことが特徴です。レーザー照射後は熱凝固作用で血管がすぐに固まるため、手術による切除よりも出血も抑えられます。ただし手術と異なり、病理検査で確認することもできず、完全には切除できていない可能性があることから再発のリスクがあります。施術後は約2週間のテープ保護が必要です。
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