円形脱毛症
円形脱毛症
円形脱毛症は、円形や楕円形に髪の毛が抜けてしまう疾患です。徐々に進行していく薄毛とは違い、突然髪の毛が抜けてしまうことが特徴です。
小児から高齢者までの幅広い年齢層の方に、頭髪や眉毛などの一部に脱毛斑が生じます。脱毛単発の場合や、易脱毛性を伴い多発し頭部全体に広がる場合もあります。
発症すると数ヶ月以内に自然に治ることもありますが、拡大し繰り返すこともあります。範囲が広く重症化すると治療が長期化したり、完治が難しくなってくるため、円形脱毛症が疑われる際は、早めに診察にてご相談ください。
原因は明確には分かっていませんが、近年自分の毛包を攻撃してしまう「自己免疫性疾患」と考えられています。
自身の体質・遺伝子があるうえで、疲れやストレス、感染症などが引き金になって円形脱毛症になるといわれていますが、きっかけがはっきりしない方も多くいます。また、家系に円形脱毛症を発症している方やアトピー性皮膚炎の方(アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎、結膜炎、喘息などを起こしやすい体質・素因の方)ほどなりやすいことが報告されています。
その他、橋本病などの甲状腺疾患、尋常性白斑、関節リウマチや全身性エリテマトーデス(SLE)などの膠原病、1型糖尿病、重症筋無力症などと合併することもあります。
円形脱毛症の中で最も多く見られるタイプです。
年齢や性別に関わらず発症することがありますが、約8割が発症後1年以内に治癒するとの報告があります。しかし、多発型円形脱毛症に移行することもあるため注意が必要です。
円形の脱毛が複数個所で起こります。単発型から移行することが多く、再発を繰り返すことがあり、完治までに半年~2年程かかることがあります。複数の脱毛斑がつながり、脱毛範囲が拡大すること(多発融合型)があります。
頭髪の生え際が帯状に脱毛する症状です。大半が単発型からの移行によるもので、蛇行するように脱毛範囲が広がります。治療に数年かかる場合があります。治療に数年かかることもあり、早期治療が重要です。
多発型、多発融合型から移行し、頭部全体の髪の毛が抜け落ちます。長期にわたる治療が必要になることが多く、全頭型に移行する前の早期治療が重要です。
頭部だけでなく、眉毛やまつ毛、ヒゲ、わき毛など全身の体毛が抜け落ちてしまう症状です。円形脱毛症の中で最も重症です。早期治療が重要です。
症状の経過、既往歴(他の病気)の確認、脱毛症の原因となる基礎疾患の有無、家族歴などの問診が大切です。
日本皮膚科学会の「円形脱毛症診療ガイドライン」に基づき治療を行います。
数個程度の脱毛斑に対して行います。毛包のまわりに炎症細胞が集まっているため、炎症を抑制する作用があるステロイドが有効といわれています。
頭皮の血流を改善して育毛を促す作用があります。1日に数回、脱毛斑に塗布します。副作用がほとんどないため、治癒した後も予防的に外用を続けることができます。
強い効果はありませんが、安全性が確保されている治療です。上記の治療に併行して行うことが多いです。
限局型には有効であり、週に1-2回エキシマライトを照射します。皮膚に紫外線を照射することで、症状の原因となっている自己免疫性反応を抑制すると言われており、さまざまな皮膚疾患に効果的です。
生物学的製剤:JAK阻害薬は、細胞内で炎症の信号を伝達する経路をブロックすることで、円形脱毛症の症状を改善する効果を発揮します。
元々アトピー性皮膚炎や関節リウマチの治療で使われていたオルミエントという内服薬が、2022年6月から円形脱毛症にも保険適用になりました。
脱毛面積が広く(50%以上)重症の場合、他の治療方法で症状をコントロールできない場合に効果が期待できる薬ですが、価格が高く、副作用にも十分注意が必要です。
発症から6ヶ月以内、脱毛範囲25%以上重症かつ急速に進行する円形脱毛症に対して行う治療です。
3日間ほどの短い期間に、点滴でステロイドを大量に投与するため入院が必要になります。
当院では行っておらず適切な医療機関に紹介させていただきます。
かぶれを引き起こす化学試薬を脱毛部位に塗る治療法です。かぶれによって起きるさまざまな反応が毛に対する自己免疫機能を抑制し、発毛を促すと考えられています。比較的広範囲に脱毛している症例に対して実施され有効です。
当院では行っておらず適切な医療機関に紹介させていただきます。
TOP