多汗
多汗
多汗症(hyperhidrosis)とは、発汗機能が亢進して通常以上の汗をかく疾患です。日本人の10人に1人は多汗症で悩んでいると言われていますが、病院への受診率は少ないのが現状です。過剰な汗によって対人関係や日常生活に支障をきたすことがあります。この数年で保険治療の選択肢が増えています。
手や脇の汗が気になり仕事や勉強に集中できない、日常生活で常に汗をかいている、社会的な場面や精神的ストレスで汗の量が気になる、においが気になるなどお気軽にご相談ください。
汗を分泌する汗腺には、「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」の2種類があります。
このうち、多汗症は「エクリン汗腺」による発汗が通常より多い状態です。交感神経系の過活動が関与しており、神経終末からアセチルコリンが過剰に放出され、発汗が多くなります。

においが気になるワキガなどは、「アポクリン汗腺」が関与します。アポクリン汗腺は、耳・脇・乳首・臍・外陰部に多くある汗腺です。
→ こちらに関してもお気軽にご相談ください。
既往(持病)や服薬など明らかな原因を認めない多汗症のことで、思春期頃に始まり遺伝的な要素が関与することもあります。
全身にわたる過剰な発汗が特徴です。
原発性腋窩多汗症:腋窩(わき)の汗が多い症状です。エクリン汗腺から分泌された汗は本来無色無臭ですが、皮膚に付着している皮脂や汚れと混ざり、皮膚常在菌によって分解されにおいや衣類の汗ジミや黄ばみの原因となります。
原発性手掌多汗症:手掌(手のひら)に汗が多い症状です。滴り落ちるほどの汗をかくこともあります。絶えず汗で湿っているため指先が冷たく、皮膚の皮が剥けたり、汗疹(あせも)や細菌感染を起こしやすいため注意が必要です。幼少期や思春期に発症することが多いと言われています。
原発性足底多汗症:足に汗が多い症状です。靴下が濡れるほどの汗をかいたり、原発性手掌多汗症と同時に発症していることが多いです。
原発性頭部顔面多汗症:頭や顔に汗が多い症状です。暑さや刺激等関係なく、蒸発しにくいベタついた汗をかくのが特徴です。
さまざまな内科的疾患や神経系の疾患、外傷や腫瘍、解熱剤や向精神病薬など薬剤の副作用が原因で引き起こされる多汗症です。
続発性多汗症も全身性と局所性の2種類に分類されます。
続発性多汗症では基礎疾患に基づいた治療が優先されます。
一方、原発性多汗症では外用薬、内服薬、注入薬、手術など複数の治療法があり、効果を見ながら治療をすすめていきます。保険適用となる治療法は、多汗の部位によって異なります。
ガイドラインで推奨されている外用薬(推奨度B)
「エクロックゲル5%」は、2020年11月に発売された保険適応で処方ができる外用薬です。アセチルコリンの働きを阻害し発汗を抑えます。塗り薬なので使いやすく、12歳から使用可能です。
ドライアイ・排尿困難・頻尿・口の渇きといった抗コリン作用を認めることもあります。
「ラピフォートワイプ」は、シート状ワイプ型の塗り薬で、2022年5月に発売された保険適応で処方ができる外用薬です。エクロックゲルと同様、アセチルコリンの働きを阻害し発汗を抑えます。
個包装で、1日1回使い切りシートなので、簡単かつ衛生的に使用できます。9歳から使用可能です。
ドライアイ・排尿困難・頻尿・口の渇きといった抗コリン作用を認めることもあります。
塩化アルミニウムの外用療法は、腋窩のみならず、手掌、足底などの治療としても有効です。
塩化アルミニウム液は、汗を出す管(汗管)の細胞に作用し、この管を閉塞させることで発汗が減少するといわれています。
上記が保険適応になる前から長く使用されている製剤で、保険適応外ではありますが費用が安く効果も認められています。時に皮膚炎(かぶれ)を生じることがあり、その場合外用方法に工夫が必要です。
※当院では、門前薬局で調整販売しております。
外用薬で効果が不十分である場合は、ボツリヌス毒素製剤の局所注射を検討(推奨度B)
ボトックス注射をワキの⽪膚に注⼊することで、汗の分泌量を減らすことができます。2012年11⽉から「重度の原発性腋窩多汗症」と診断された⽅には、わきのボトックス注射が保険適応となりました。15歳から使用可能です。
個人差はありますが、注射後数日で効果が現れ4-9カ月効果が持続します。
※全てのわき汗のボトックス注射が保険適応となるわけではありません。診察でガイドラインに基づき「重度の原発性腋窩多汗症」の診断が必要です。
→ それ以外の方は、保険外治療でのボトックス注射は可能です。
※費用は3割負担で約30,000円です。診察後、後日の予約となります。
※わき以外の手掌、足底の多汗に関しては、重症度は関係なく、ボトックス注射は保険外治療です。
(推奨度C1)
唯一多汗症に対して保険適用のある抗コリン内服薬です。緊張やストレスによって発汗が過剰になる場合に有効とされています。視覚障害・ドライアイ・口の渇き・排尿困難・頻尿・便秘といった抗コリン作用が出ることがあります。
多汗症への保険適用はありませんが、自律神経症状に対して保険適用があります。
ガイドラインにはありませんが、併用することもあります。
ガイドラインで推奨されている外用薬(推奨度B)
「アポハイドローション20%」は、2023年6月に販売された、12歳から使用可能な日本初の保険適用手汗治療薬です。
「1日1回寝る前に手のひらに塗る」使いやすいのも特徴です。
ドライアイ・排尿困難・頻尿・口の渇きといった抗コリン作用を認めることもあります。
塩化アルミニウムの外用療法は、腋窩のみならず、手掌、足底などの治療としても有効です。
塩化アルミニウム液は、汗を出す管(汗管)の細胞に作用し、この管を閉塞させることで発汗が減少するといわれています。
上記が保険適応になる前から長く使用されている製剤で、保険適応外ではありますが費用が安く効果も認められています。時に皮膚炎(かぶれ)を生じることがあり、その場合外用方法に工夫が必要です。
※当院では、門前薬局で調整販売しております。
(推奨度C1)
ボトックス注射を⽪膚に注⼊することで、汗の分泌量を減らすことができます。個人差はありますが、注射後数日で効果が現れ4-9カ月効果が持続します。
※わき以外の手掌、足底の多汗に関しては、重症度は関係なく、ボトックス注射は保険外治療です。
(推奨度C1)
唯一多汗症に対して保険適用のある抗コリン内服薬です。緊張やストレスによって発汗が過剰になる場合に有効とされています。視覚障害・ドライアイ・口の渇き・排尿困難・頻尿・便秘といった抗コリン作用が出ることがあります。
多汗症への保険適用はありませんが、自律神経症状に対して保険適用があります。
ガイドラインにはありませんが、併用することもあります。
(推奨度B)
主に手掌や足底多汗症に有効とされている治療法です。電流を液体中で通電することで発汗を抑制する作用によって効果を発揮します。保険適用ですが、定期的な通院が必要です。
※当院ではイオントフォレーシスは行っておりません。
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